こんにちは。SEASONスタッフのオリカサです。
今回から「海藻ばなし」と題して、SNSではなかなか伝えきれないSEASONの事業やスタッフの様子をお届けしていきます。
すこ〜し長くなるかもしれませんが、お付き合いいただけると嬉しいです。
SEASONについて

SEASONというブランドのスタートは2020年。今年で7年目を迎えます。
会社がある南三陸町は、宮城県北に位置する小さな港町。私たちはここで「海藻との新しい出会いで ココロ躍る体験を」をミッションに掲げ、希少な存在となった海藻“マツモ”の陸上養殖を事業化するためにスタートしました。

これまでに「三陸海藻バター」や「海藻チップモッカ!」など、海藻を使ったさまざまな商品開発をおこなってきました。
よく驚かれるのですが、会社としては、実は100年続く建設会社です。
会社の4代目にあたり、SEASONの代表である阿部が、地域資源を活用した新規事業を構想しているときに着目したのが海藻でした。
三陸には、海藻の食文化がある
阿部が新規事業について思案していた、ある春の日の食卓。

テーブルに並ぶ料理の中に、フノリやワカメ、ヒジキ、メカブなど、たくさんの海藻が使われていることに気付きました。
身近すぎて気にも留めていなかった海藻は、ポテンシャルを秘めた食材なのでは。
当たり前の食卓が、この海藻との「出会い直し」が、ブランドの立ち上げへと繋がっていきます。
目の前に広がる伊里前湾
私たちの仕事場の目の前には、伊里前(いさとまえ)湾が広がっています。

海にロープや筏が並び、その横で船を動かしながら作業をする漁師さん。
私は内陸部のよくある住宅街で育った移住者なので、自然とともにある生業がすぐ近くに見られる環境はめずらしく、この風景がとても素敵だと感じています。
このロープや筏に、ワカメやコンブなど海藻の種(種苗)を設置し、冬から春にかけて育てていく方法が「海面養殖」といわれるものです。
ただ、ニュースでもよく聞くように、海の環境はどんどん変化しています。
ウニが海藻を食べ尽くしてしまう食害や、海水温の上昇、自然災害や天候のリスクなど。漁師さんたちはいろんな課題と向き合いながら、美味しい海藻を育ててくれています。
海と陸から、海藻を盛り上げたい。
阿部は、漁師になる選択ではなく、陸上養殖への挑戦という道を選びました。
これまで南三陸の海を守ってきた地元漁師さんたちの“競合”にはなりたくない。ライバルではなく、一緒に海藻を盛り上げていけるような、プラスになる事業ができないか。
考えてたどり着いたのが陸上養殖でした。
マツモは、南三陸では昔からよく食べられていた海藻ですが、天然ものは希少となり現在は市場にもほとんど出回っていません。
収穫量はピーク時から約80%以上減少しており、現在では年間数十キロ程度だそう。食べる機会が減ることは、食文化そのものがなくなっていく危機でもあります。

陸上養殖は、災害や天候に左右されづらく、安定供給を目指せること。
陸上養殖の技術を確立できれば、南三陸に新たな産業を創出できること。
そしてマツモを食べる機会や場所が増えれば、この地に根付いていた食文化を守っていけること。
陸上養殖に大きな可能性を感じ、マツモを育てていくための種苗の研究がはじまっていきます。
陸上養殖への第一歩
「マツモを陸上で育てる!」といっても、もちろん社内に知見やノウハウはなく、1から手探りのスタート。阿部がひとりで、関連企業や研究機関を回りました。
時には知人の力を借りながらアプローチを続けて、大学・民間企業と連携した共同研究をはじめることができたのが2020年です。

海藻は、海中の岩場などにくっつきながら胞子で増えていく「藻類」に分類されます。成長に必要なものは、太陽の光と海の中の栄養分。
この胞子を、どんな方法・条件下であれば効率よくたくさん作れるかを調べる必要がありました。トレーニングをしながら、研究の日々が続きます。
町内での実証実験、そして本格生産へ
研究拠点は当初、岩手県・陸前高田市にありました。
まだまだ先が見えない感覚の中、研究を進めること3〜4年。2024年にマツモの養殖技術を確立し、いよいよ町内での実証実験に着手していきます。
はじめは、プール1基でおこなっていたテスト生産。

紆余曲折ありながら、足掛け6年を経て、いよいよ2026年6月に自社の養殖施設が稼働します。
商業用の陸上養殖施設としては、宮城県内で初です!

現在カフェ&ショップがある高台の下に、16基のプールが並びました。伊里前湾をバックにいくつもの大きなタンクが並ぶ様子は、見ていてワクワクが募ります。
カフェにいらした際、ぜひ高台の上から見下ろしてみてください。
建設会社の事務所の一室からはじまったSEASON。やっと、やりたかったことがカタチになってきました。
次は、陸上養殖で育てる海藻「マツモ」「タオヤギソウ」について、お話していきます。